紀伊半島南部の岬にある林に囲まれたオープンスペースが敷地です。クライアントは、音楽を愛する若いご夫婦と小さなお子様2人です。
台風から家を守ってくれる樹を切らないこととできるだけ土地を傷めないようにしようということから計画はスタートしました。木々を残すことは、道路からの進入経路と配置計画を慎重に検討することで可能となり、基礎工事は、木造構造壁の下だけにコンクリート基礎を施工し、その他を石場建てとしました。その結果、コンクリート基礎は、床面積の約30%となり、掘削面積とコンクリート量を大幅に減少させ、床下のメンテナンスも容易にしたサスティビナルな工法となっています。構造、造作共全て地元の紀州材を使用し、梁には杉の太鼓梁を掛け、古民家風になりがちな空間の様相を再編することを試みました。
平屋の建築を林に沿った形にデザインし、それを北側の木々の下に入りこむように配置することにより出来た家と南側の林との間を屋外ステージ(多目的スペース)として提案しました。竣工後の初夏のある日、近親者の方を招いて、こけら落としのミニライブがご夫妻により催されました。高齢化が進むこのエリアにおいて、このような開かれた場が地域の住人の生活にも日常とは少し違う楽しみを与えてくれることを期待しています。
第4回きのくに建築賞紀州材賞
岬の家
建築場所:和歌山県│主要用途;専用住宅│敷地面積:760.53㎡│建築面積:148.64㎡│延床面積:148.64㎡│構造:木造
構造設計:片岡構造│施工:清水工務店│写真:鈴木研一
House on cape
Location:Wakayama prefeture,Japan│Program:House│Site area:7602.53㎡│Building area:148.64㎡│Total floor area:148.64㎡│Structual system:Wood
Structual design:Kataoka Structual Design│Constractor:Shimizu Construction│Photos:Ken'ichi Suzuki